雲の向こう、混沌とファイリング

クラウドコンピューティング

wikipedia:クラウドコンピューティング

クラウドコンピューティングシステムでは、リソースがインターネットの「雲」の内部に隠蔽され、それをオンラインでどこからでもアクセス可能である状態にする。このためユーザはハードウェアリソース、ソフトウェアリソース、データリソースの所在や内部構造を意識することがない。ネットワークは単なる経路ではなく、ひとつのシステムリソース、巨大なコンピュータとしてとらえられる。つまり、ネットという「雲」に対してリクエストを投げるとどこからかわからないがレスポンスが返されるというかたちでサービスが成立するということになる。

また、同様に保存先を意識しなくてもネットワーク上にデータを「置いておく」ことが可能になる。
http://www.atmarkit.co.jp/news/200712/25/weave.html

アクセス先の装置がブラックボックス化していることは珍しい状況ではない。だから、クライアントサーバシステムに変るパラダイムといわれつつも、これまでPCを持ちあるいていたのが、ネットワーク端末とネットという組合せに変ったというだけの感覚しかユーザレベルにはないはずだ。
ただしPCであれば、内部構造が隠蔽されているものの、構造自体は手元に存在しているし、機器自体のソフト/ハードの動作は機械としてネットとは比較にならないほど高い確定性の基盤の上で動作する。
一方で、ネットは本来的に確率論的な存立基盤をもっている。インターネットという基盤自体が明示化されたノードを持たず、網状のネットのどこかには届け先が存在するだろうという仮定にもとづいて送信がおこなわれる。
さらにユーザの意識するネットサービスのイメージそのものも、確実なリクエストとレスポンスというよりも、確率的に提供されるサービスとなっている。ネットワークの状況によって理由もわからずサイトへのアクセスができないという事態も日常的に起こるが、それでもネットは信用できないから使わないという意見が頻出するわけではない。
ネットワークを利用することの確率論的な側面や不確定性に対しての適応度は非常に高い。